Méthode de françaisは全くの初心者向けの教材です。この教材は文法とコミュニケーションの基礎が無理なく
少しずつしっかり身に付くよう構成されています。学習者がなるべく間違えずに話せるように、フランス語の論
理的な側面を強調し、例外についてはほとんど触れていません。したがって授業中に導入するかどうかは、ク
ラスのレベルに合わせて、教師が判断することができます。フランス語を学習したことの無い日本人でも理解で
きるような単語(café、chocolat など)も積極的に取り入れ、特に4課に多く出てきます。数字は無理なく身に
つけられるよう、教科書の初めから終わりまで少しずつ順番に出てきます。
「クラスで使う言葉」のページはできれば少しずつ導入することをお薦めします。学習を始めて1ヶ月程度経
ったら、毎回授業の前に練習しましょう。そうすることで学習者はだんだん使えるようになります。「ウォーミ
ングアップ!」のページは毎回授業の始めに練習するのがいいでしょう。まだ授業で習っていないボキャブラ
リーも含め、全部でも、一部でも構いません。
以降各課は8ページで構成されています。
導入のページ
初めの見開き2ページでは、ボキャブラリーと新しい文法事項を簡単な例文を使って導入しています。教科書
の前半では、毎回小さな会話形式になっており、学習者がグループになって練習できるようになっています。い
くつかの課(6、7、8課)では、教科書は閉じて練習することをお勧めします。9課以降はマンネリを避ける
ために形式が少し変わり、旅行の際などに使えるような表現(カフェで、市場で買い物をする、パン屋さんで、
道を尋ねる、駅で切符を買う)が出てきたり、テキストの形式になっているものもあります。これらページの両
端には、文法のポイントが記され、それぞれ課末の文法のまとめ(le わからん)に対応するようになっています。
Activitésのページ
このページには導入の2ページで出て来た文法事項とボキャブラリーがもう一度出てきます。新しい単語が出
てくることは滅多にありませんが、3課と6課ではあえて学習者に教科書の初めにある「クラスで使う表現」を
使って教師に質問させるため、初めて出てくる単語も混ぜてあります。
練習問題のページ
練習問題は宿題として出してもいいですし、授業中に復習として使ってもいいでしょう。
“le わからん”と“la page culturelle”のページ
これらのページは学習者が一人でも読める、フランスの文化、社会に関するテキストや文法事項の説明です。
授業中に扱う必要はありませんが、中には授業で使えるものももちろんあります。
課の最後のページ
これらのページは復習や、ゲーム、文法のまとめです。2課の“on va plus loin” 以外は、もしも時間が足りな
い、もしくはクラスのレベルが追いついていないという場合は、扱う必要はありません。
外国語を学ぶ楽しさの1つはやはりコミュニケーションができるようになることだと思います。本書では、ボ
キャブラリーを必要最小限に抑え、基本的な文法事項は簡単な会話形式で導入し、繰り返し練習することで、
フランス語の基本が楽しく、かつ効果的に身に付くよう工夫したつもりです。これからフランス語を学び始めよ
うとする方々が「フランス語は難しい」という印象を持つこと無く、 「フランス語は楽しい」と思いながら学習
を続けていって頂けるなら、我々にとって最高の喜びです。
改訂に際し、新たに発音のためのページを加え、さらに巻末にはAnnexesとして、文法補遺、documents
authentiques、lexiqueを加えました。